ブライダルインナーのこんな印象

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結婚後の生活というのは、どんなに頑張ったところで、結局はみみっちい日常を守るための努力を続ける毎日だというのが私の実感である。
無理なことだと思うが結婚してからも所帯じみないようにと努力するのは大切なことだ。
けれども、だからといって、毎日をハレ・ハレ・ハレと生きるわけにはいかない。いくら素敵でいたくても、目指す方向を間違うと、どこかに無理がくる。
二人の結婚の結論を言ってしまうと、Sさんはそれからしばらくして、離婚した。最初に間違えてしまった路線をどうしても修正できなかったのだ。

ご主人のほうもまったく変わろうとしなかったらしい。ときどき、ひどくたやすいことのように、「家事に支障がない限りは、仕事していいよ」とか「結婚しても素敵でいてよね。でも、家の中もきちんとね」などと言う夫がいるが、家事に支障が出ないよう仕事をしたり、日常生活をこなしながら素敵でいたりするのは、やはりかなり大変だ。
スーパーウーマンじゃないのだから、やはり限界がある。
だから、結婚しても素敵でいようと思ったら、「ハレの日の素敵」ではなく、「日常の素敵」を目指すようにしなければ。そうでないと、結婚後の生活は前途多難となる。
ちなみにSさんは現在、再婚間近だ。今度の彼は平凡だが、一緒にいてくつろげる人なのだそうだ。
まだ聞いてはいないけれど、今度の新居にはトレーニング・ルームはないと思う。ずいぶん前のことになるが、今は横綱になられたTが婚約を解消したとき、その理由を問われた彼が「好きじゃなくなったから」と答え、周囲から非難を受けたことがあった。
私の周りにも、「言うに事欠いて、『好きじゃなくなったから』とは何事よ、まったく、ふざけないでよ」と、息まいて怒る人がけっこう多かった。まるで自分が言われたみたいに。
けれども、私はなぜ彼がそんなに責められるのか、よくわからなかった。友人はそんな私に「Aはお相撲さんには甘いからね」と非難のまなざしを向けてきたが、考えてみてほしい。
婚約したとき、「なぜ彼女と結婚しようと思ったのですか」と尋ねられたTは、確かこう答えたはずだ。「好きだから、ただ、それだけです」と。
「好きだから、ただ、それだけです」の男から「好き」を取ったら、あとには何も残らない。これでは、婚約を破棄するしかないじゃないか。
もちろん、傷つけられたほうのフィアンセは気の毒だったかもしれない。けれども、彼にしたら、単純すぎるほどの引き算をした結果、婚約解消という答えしか出なかったのだろう。

結婚するにはたくさん理由があったほうがいいのかもしれない。もし、「きれいな人だし、相撲という仕事を理解してくれるし、ゆくゆくは女将さんになる人として最適だし、丈夫な子供を産んでくれそうだし」等々、たくさんの理由があれば、あんなにもあっけなく婚約は壊れなかったような気がする。

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